休職中の社員への連絡|窓口・内容・本人との合意・記録の決め方

休職中の社員との連絡に向けて、窓口や連絡内容をノートに整理する人事担当者のイメージ
画像はイメージです

休職が始まったあと、人事は「どのくらいの頻度で連絡すればよいのか」「何を聞いてよいのか」と迷いやすくなります。連絡しなければ孤立させてしまうかもしれない。連絡しすぎれば負担になるかもしれない。

この記事では、休職中の連絡を、人事が一人で抱え込まずに続けるために、あらかじめ決めておくことを整理します。連絡の窓口、伝える内容と聞かない内容、本人との合意、返事がないときの社内手順、記録と共有範囲を中心に整理します。連絡の頻度に、全社共通の正解は示しません。頻度は、本人の状態や希望、医師の意見、会社の事情を踏まえて決め、見直すものだからです。

休職の申し出を受けた直後の初動は「社員が休職を申し出たとき、人事が最初に確認する5項目」で、休職から復職までの全体の流れは「休職から復職までの流れ|人事の対応チェックリスト」で扱っています。この記事は、その間の「連絡」に絞ります。

1. 最初に決める:連絡の目的を3つに分ける

休職中の連絡は、目的が混ざると、本人にとって「何に返事をすればよいのか」が分かりにくくなります。次の3つに分けて考えると、窓口も内容も決めやすくなります。(この記事の整理です。)

  • 手続きの連絡:診断書や傷病手当金の申請書類の受け渡し、休業中の事務手続きの案内など。
  • 情報提供・相談の場の連絡:休業中の制度の説明、相談できる窓口の案内など。
  • 状況の確認:本人の状態や、復職に向けた準備の状況を、本人の同意のもとで確認すること。

厚生労働省の手引きは、休業が始まるときに、休業中の事務手続きや職場復帰支援の手順を本人に説明すること、必要な連絡事項や、復帰支援のために事前に検討が必要な事項について、本人に連絡を取ることを挙げています。また、病気休業の期間中に休業者へ接触することが望ましい結果をもたらすこともあるとして、孤独感や復職への不安などについて情報提供を行い、相談の場を設けること、傷病手当金などの公的支援制度の情報提供を行うことを示しています。

一方で、業務の指示や進捗の確認は、療養の妨げになることがあります。手続き上必要な連絡と、仕事の遂行を求める依頼を区別し、療養中の本人に通常業務を担わせる連絡は避けます。

2. 窓口を決める:本人が受ける連絡先を、できるだけ一つに

連絡の窓口は、会社側で決めておきます。

  • 窓口の担当を決める:人事の担当者、産業保健スタッフ、外部の窓口など。本人が、複数の人から別々に連絡を受けないようにします。
  • 上司・同僚からの連絡の扱いを決める:お見舞いや業務の連絡を、本人に直接送ってよいか。送る場合は窓口を通すのか。
  • 窓口が不在のときの代わりを決める:担当者の休暇や異動で連絡が途切れないよう、代わりの担当者を決め、本人にも伝えます。
  • 連絡の目的ごとに窓口を分ける場合:手続きは人事、体調や不安の相談は産業医や産業保健スタッフ、というように分けるときは、どこに何を相談すればよいかを、本人に一覧で渡します。

手引きは、連絡や説明を行う主体として、管理監督者、人事労務管理スタッフ、事業場内産業保健スタッフ等を挙げていますが、具体的な窓口は定めていません。誰が窓口になるかは、会社の体制に合わせて決めておきます。

3. 連絡の内容:伝えること、聞かないこと

連絡の内容は、「伝えること」を先に決めておきます。「聞くこと」は、本人の同意の範囲に限ります。

伝えること(例)

  • 手続きの案内と、書類の提出先・期限。
  • 休業中の制度(給与の扱い、社会保険料、傷病手当金など)の案内。条件は個別に異なるため、就業規則や加入先の健康保険の案内に沿って伝えます。
  • 相談できる窓口と、その連絡先。
  • 次に連絡する時期の目安と、連絡の手段(本人の希望を聞いて決めたもの)。

聞かないこと(例)

  • 病名や、不調の原因を、人事から聞き出さない。
  • 「いつ戻れそうか」を、連絡のたびに尋ねない。復職の可否は、医学的な意見を踏まえて事業者が決定するもので、連絡の場で本人に迫るものではありません。
  • 業務の進捗や、引き継ぎの細かい確認を、休職中の本人に求めない。引き継ぎで確認が必要なことは、あらかじめ休業前に整理しておきます。

人事は、本人が連絡を受けやすい方法や手続き上の困りごとを、必要な範囲で本人に確認できます。病状の評価や治療に関する詳しい情報は、人事だけで判断せず、産業医等の専門職と連携します。主治医から情報や意見を受け取る場合は、本人への説明と同意、確認する目的と情報の範囲を整理します。手引きは、必要な連絡事項等を除く実際の接触では、主治医と連絡を取ったうえで実施すること、主治医を通した情報提供も考えられることを示しています。

4. 本人との合意:手段・時間帯・タイミング・見直し

連絡の頻度や手段は、会社が一方的に決めるのではなく、本人の希望を聞いたうえで合意します。合意する内容の例は次のとおりです。

  • 連絡手段:電話、メール、書面、社内ツールなど。本人が負担の少ない手段を選べるようにします。
  • 連絡してよい時間帯と、避けたい時間帯。
  • 連絡のタイミングの目安:定期的に連絡するのか、書類の提出や申請などの節目で連絡するのか、本人からの連絡を主とするのか。
  • 本人が返信できないときの伝え方:返信の負担を伝えられる方法と、通常の連絡を控える期間を相談します。期限のある手続きや緊急時の連絡は、別に扱いを決めます。
  • 合意の見直し:本人の状態や、主治医の意見、復職に向けた準備の段階に応じて、いつ見直すか。

頻度に正解がない理由

手引きの第1ステップでは、全員に共通する連絡回数ではなく、接触のタイミングを事前に検討する考え方が示されています。接触のタイミングは、職場復帰支援のプログラムを定めるときにあらかじめ検討しておくことが望ましいとされ、診断書や傷病手当金の申請書類の提出のタイミングで接触すると、本人の負担が少なくなる場合があるとされています。また、働く人向けの公的な情報でも、体調が安定しない時期に、連絡の文面を読んで返信することは、心身の負担になりがちであることが示されています。

休養が必要な時期の連絡は、少なくするほうがよい場合もあります。一方で、連絡が長く途絶えると、孤立や、復職への不安につながる場合もあります。どちらが合うかは、人によって、時期によって違います。だから、頻度を先に決めるのではなく、「本人が負担なく受け取れる手段」と「見直しのタイミング」を決めておき、状態に応じて調整します。

5. 返事がないとき:社内の手順を、あらかじめ決めておく

連絡に返事がないことは、珍しくありません。返事がないこと自体を、本人の問題として扱わないようにし、次の順で社内の手順を決めておきます。(この記事の整理です。)

  1. 返事を急がせない:合意した手段・時期で連絡し、返事の期限が必要な場合は、理由と期限を具体的に書く。
  2. 手段を変える:合意した範囲内で、別の手段(書面、別の連絡先など)に切り替える。
  3. 緊急時の連絡先:本人が事前に希望した連絡先(家族など)に連絡してよいか。連絡してよい場面は、どのような場合か。
  4. 安全への心配がある場合:通常の返信待ちとは分けて、心配の内容と緊急性を確認し、社内の緊急時手順に沿って産業保健スタッフ等と連携する。切迫した危険が疑われる場合は、本人の返信を待ち続けず、必要な緊急対応につなぐ。
  5. 手続き上、期限のある連絡の場合:就業規則上の扱いは、社労士などの専門家に確認する。個別の判断は、人事だけで決めない。

返事がない場合の「何日で次の対応に進むか」も、一律の日数は示せません。就業規則の定めと、本人の状況を踏まえて、会社として決めます。

6. 記録と共有範囲:何を残し、誰が見るか

連絡の記録は、本人・人事・産業医が、あとで状況を整理するための土台になります。一方で、休職中の連絡には、健康情報が含まれやすいため、記録と共有の範囲は慎重に決めます。

記録する内容(例)

  • 連絡の日時、手段、担当者。
  • 伝えた内容と、本人から返答があった内容の要点(手続きに必要な範囲で)。
  • 次の連絡の目安と、本人と合意した事項。

記録しないこと(例)

  • 病名や、不調の原因についての人事の推測。
  • 本人の申告と、上司・同僚の観察や印象の混在(区別して記録する)。

共有範囲

  • 厚生労働省の手引きは、健康情報などは、個人情報のなかでも特に機微な情報であり、厳格に保護されるべきものとしています。収集する内容は必要最小限とし、第三者に提供する場合は、原則として本人の同意が必要、同意は包括的・黙示的ではなく個別に明示のものが望ましい、情報は特定の部署で一元管理し、必要な者に必要な範囲で提供する、としています。
  • 厚生労働省「事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き」(2019年3月)は、取扱者ごとに扱える情報の範囲を、衛生委員会等で労使が検討して定めることを示しています。
  • 記録の保管場所と、閲覧できる人を決めます。上司や同僚には、業務の調整に必要な情報だけを伝え、休業の理由は、本人の同意なく共有しません。

早見表

項目決めておくこと避けたいこと
1. 目的手続き・情報提供・状況の確認を分ける仕事の遂行を求める連絡
2. 窓口担当者と代わりの担当、上司・同僚の連絡の扱い本人が複数の人から別々に連絡を受ける
3. 内容伝えること(手続き・制度・相談先)を先に決める病名・原因の聞き出し、「いつ戻れるか」の繰り返し
4. 合意手段・時間帯・タイミング・見直しの時期頻度を会社が一方的に決める、一律の頻度を当てはめる
5. 返事がないとき手段の切り替え、緊急時の連絡先、産業保健への相談返事がないことを責める、人事だけで判断する
6. 記録日時・手段・要点・合意事項、保管場所と閲覧者推測の記録、必要以上の共有

連絡文の例(架空の例です)

人事から、休職中の社員への最初の連絡文の例です。目的を一つに絞り、返事の負担を軽くしています。そのまま使うものではありません。

お休み中に失礼します。人事の○○です。今後の手続きの連絡窓口を、私が担当することになりました。書類の受け渡しなどで、必要なときだけご連絡します。お返事は急ぎません。ご都合のよい連絡手段と、避けたい時間帯があれば、お手すきのときにお知らせください。今は、ゆっくり休むことを優先してください。

※会社の規程・本人の状態によって、適切な内容は変わります。法的な判断が必要な連絡(期限のある通知など)は、社労士などの専門家に確認してください。

連絡を、人事だけで抱えないために

休職者への連絡・面談・調整は、数か月にわたることがあり、人事の担当者に集中しやすい場面です。連絡の窓口の一部を、外部に任せる選択肢もあります。任せる範囲と、会社に残る判断については、「休職者対応を人事が抱えきれないとき|外部に任せる判断基準」で扱っています。

オキュラボのメンまるについて

オキュラボのメンまるでは、職能療法士(作業療法士)が、仕事と生活を両立できるよう、生活構築を支援します。メンまるは、産業保健的な窓口の機能に、オンラインリワークと復職後の定着支援を組み合わせ、状態に合わせて従業員に一貫して伴走するサービスです。

休職が始まったあとの事務連絡、定期面談、診断書など必要書類の提出の督促、傷病手当金などの公的支援制度の説明、人事への定期報告(原則、隔週)を担います。必要書類は、作成の提案はメンまるも行いますが、最終的な管理は人事が行います。最初の同意の取得は、会社の担当者が行います。健康情報の共有先・目的・範囲、本人への説明と同意の取り方は、利用前に確認します。外部に任せる場合は、利用前に、連絡手段・対応時間・報告の頻度を委託先へ確認してください。

よくある質問

Q. 休職中の社員には、どのくらいの頻度で連絡すればよいですか。

全員に同じ回数を当てはめず、手引き第1ステップの、接触のタイミングを事前に検討する考え方を参考にします。本人の状態、希望、主治医・産業医の意見、会社の事情を踏まえて、本人と手段・タイミング・見直しの時期を合意し、状態に応じて見直します。

Q. 本人から返事がないときは、どうすればよいですか。

返事がないこと自体を責めず、合意した範囲で手段を切り替えます。安全への心配がある場合は、通常の返信待ちと分け、緊急性と社内の手順に応じて産業保健スタッフ等と連携します。期限のある手続きは、就業規則の定めを確認し、必要に応じて社労士などの専門家に相談してください。

Q. 上司や同僚が、本人にお見舞いの連絡をしてもよいですか。

会社として、窓口を通すのか、直接送ってよいのかを決めておくと、本人が複数の人から連絡を受けることを避けられます。本人の希望を聞いたうえで決め、休業の理由は本人の同意なく共有しません。

Q. 連絡の記録に、本人の話した内容をどこまで書いてよいですか。

手続きや配慮に必要な範囲の要点にとどめます。病名や原因の推測は書かず、本人の申告と観察や印象を区別します。保管場所と閲覧できる人も決めておきます。

まとめ

  • 休職中の連絡は、手続き・情報提供・状況の確認に目的を分け、通常業務の遂行を求める連絡と区別します。
  • 窓口は、本人が受ける連絡先をできるだけ一つにし、代わりの担当も決めます。
  • 伝える内容を先に決め、病名・原因や「いつ戻れるか」を連絡のたびに聞きません。
  • 連絡の手段・時間帯・タイミング・見直しの時期は、本人と合意します。頻度に全社共通の正解はありません。
  • 返事がないときの手順と、記録・共有の範囲を、あらかじめ決めておきます。

出典と確認日

  • 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(平成16年10月、平成21年3月・平成24年7月改訂)
    URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000561013.pdf
    確認日:2026-10-22/使った箇所:第1ステップ(診断書の提出、管理監督者・産業保健スタッフ等によるケア、休業中の連絡・情報提供・相談の場・傷病手当金等の情報提供、接触のタイミングの検討)、プライバシーの保護(必要最小限、本人の同意、一元管理)、主治医との連携(事前の説明と同意、必要最小限の情報)
  • 厚生労働省「事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き」(2019年3月)
    URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000497426.pdf
    確認日:2026-10-22/使った箇所:取扱者ごとの情報の範囲を労使で検討、必要最小限の取扱い
  • 厚生労働省「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳」職場との連絡、相談等
    URL:https://web2.kokoro.mhlw.go.jp/return/return-worker/rw002/
    確認日:2026-10-22/使った箇所:体調が安定しない時期の連絡対応は負担になりやすく、返信ができない旨を伝えて連絡を控えることもできる、という記述
  • 厚生労働省「手引きの改訂について」(平成21年3月23日)
    URL:https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei28/index.html
    確認日:2026-10-22/使った箇所:改訂の経緯の確認。職場復帰支援の流れは5ステップであり、本稿では第1ステップの連絡を扱う
  • オキュラボ「ウェルビーイング推進室(メンタル不調者まるっと引受け)」ページ
    URL:https://www.occulabo.co.jp/wb_menmaru/
    確認日:2026-10-22/使った箇所:メンまるの担う業務、会社側に残る実務、情報連携

あわせて読みたい

休職者との連絡や面談の窓口を外部に置くことを考える場合は、メンまるの内容をご覧のうえ、お気軽にご相談ください。相談・見積もりは無料です。