作業療法士としてのキャリアと「経営への視点」           ~数字を追うマネジメントから、人が活きるマネジメントへ~

株式会社オキュラボのことをもっと知っていただきたい。そんな想いから始まった本連載。

第1回は、代表取締役CEO兼CWO 森島肇(以下、森島)の起業エピソードに迫ります。


代表取締役CEO兼CWO 森島肇 略歴

  • 2011年:首都大学東京(現:東京都立大学)卒業。国立病院機構にて精神科の作業療法に10年携わる。
  • 2018年:医療法人の経営(在宅診療、訪問看護、デイサービス運営等)に参画。
  • 2022年:株式会社オキュラボを設立。

そもそも「作業療法士」とは?

森: 森島さんは「作業療法士」とのことですが、そもそも作業療法士とはどのようなことをするお仕事なんですか?

森島: 作業療法士は、心や体に障害がある方や、加齢などによって日常生活に難しさを感じている方に対し、その人らしい生活が送れるようサポートするリハビリテーションの専門職です。「作業」というのは、食事や入浴といった日常の動作から、仕事、趣味、遊びまで、人が生きていく中で行うあらゆる活動を指します。

森: なるほど、生活全般を支えるリハビリのプロなんですね。そうした現場で活躍されている方は多いと思いますが、経営に携わる方も多いのでしょうか?

森島: いえ、国立病院の精神科などで10年ほど現場を経験した後に、医療法人の経営にまで携わるというのは、自分でも「なかなか珍しいタイプの作業療法士」だと思っています(笑)。

「人」を置き去りにしない経営

森: 実際に経営の現場に入ってみて、率直にいかがでしたか?

森島: 一般的な経営の場では、数字やノルマというKPIをトップダウンで追うような、いわゆる「ゴリゴリの経営」になりがちです。もちろん組織として数字は大切ですが、それだけを追いかけると、いつの間にか人の持つ温かい心にモヤがかかってしまう。OTの視点はあくまで「人ありき」なんです。

森: 森島さんが考える「人ありき」のマネジメントについて、もう少し詳しく教えてください。

森島: スタッフ一人ひとりと向き合い、「どうすればこの職場でその人が最大限の力を発揮できるか」を考えます。私は、こうした作業療法の考え方が、今のビジネスの現場には絶対に必要だと確信しているんです。

森: 「作業療法の考え方が必要」とのことですが、具体的にはどのようなことでしょうか?

森島: 大切なのは、スタッフが「作業適応」の状態にあるかどうかです。

森: 「作業適応」……聞き慣れない言葉ですが、どういう意味なんですか?

森島: 簡単に言うと、その人が「やりたい」と思っていることや「やるべき」仕事に対して、環境を調整したり本人の強みを活かしたりすることで、その人らしく組織に馴染めている状態のことです。本人の満足感と、組織での役割がうまく一致している状態を指します。

「こなせている」と「適応している」は違う

森: 与えられた仕事はひと通り出来ているけれど、「作業適応状態」にはない、ということもあり得るのですか?

森島: はい、実はそこが非常に重要なポイントです。仕事自体は完璧にこなしていても、実は自分の気持ちを押し殺して、無理やり環境に自分を合わせているパターンが多々あります。いわば「適応しているフリ」をしてしまっている状態ですね。これだと、いつか限界が来て、突然の離職やメンタル不調に繋がってしまいます。

森: その問題を解決するために、具体的なエピソードがあれば教えてください。

森島: 以前の職場で看護師の離職が続いていた際、OTの評価指標を盛り込んだ「スタッフ評価シート」を導入しました。単に業務ができるかだけでなく、本人のやりたいことが今の働き方にどう繋がっているかを可視化したんです。

森 評価の方法を変えたことで、どのような変化がありましたか?

森島: スタッフが「自分のやりたいことを働き方に活かせる」と実感してくれるようになりました。すると、あんなに続いていた離職や休職が、やむを得ない事情を除いてピタッと止まったんです。

森: まさに「作業適応」を整えた結果ですね。

森島: この実体験から、「作業療法の視点は社会でも有効だ」と強く確信しました。誰もが「自分のやりたいことを働き方に活かせる」社会を作りたい。それがオキュラボの原点になっています。


1人1人の「最適解」を共に見つける

森: 最後に、仕事に悩み、立ち止まっている読者の方へメッセージをお願いします。

森島: 私は、離職や休職を経験することは、決して「挫折」や「悪いこと」だとは思いません 。それは、今の環境があなたの本来の力や「やりたいこと」と、少しだけズレてしまっているというサインに過ぎないからです。

大切なのは、その経験の先に「自分はどうなりたいか」という未来を描くことです 。無理に自分を削って仕事に合わせるのではなく、あなたというパズルのピースが、一番輝いてはまる場所が必ずあります。

私たちオキュラボは、単に「辞めない仕組み」を作る集団ではありません。一人ひとりが「この仕事が自分の人生を豊かにしている」と心の底から思えるような、あなただけの「最適解」を泥臭く、一緒に見つけ出していくパートナーでありたいと考えています 。

「今の働き方にモヤがかかっている」と感じているなら、ぜひ一度私たちに相談してください。あなたの想いを形にするために、私たちは全力で伴走します 。